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The Hate U Give book
The Hate U Give book
Original photo by Ayana Takahara
Culture > Entertainment

“The Hate U Give” が教えてくれたこと

This article is written by a student writer from the Her Campus at ICU (Japan) chapter.

今年は、アメリカでの警察官による黒人の銃殺事件が世界的に注目され、Black Lives Matter Movement(以下、BLM)への関心がより一層高まりました。

高校2年生の時に交換留学生として一年間をアメリカで過ごした私は、自分が住んでいた大好きな国でこのような事件が多発し、友達も声をあげて戦っているのを見て、自分でも「何かしたい」と感じるようになりました。

 

世界中で抗議活動が盛んに行われている中でも、周りの友人はこの問題について無関心だったり、全くの無知でいる人もいました。日本のニュース番組などで事件について報道されるようになるまでに時間がかかった事などから、日本にいる大勢の人が知る術がない状況が「仕方ない」と捉えられていたのも残念だと思いました。

そういう人たちが少しでもBLMについて知るきっかけ人なればいいと思い、自分のinstagramで動画や画像、ニュースをシェアし始めました。これをきっかけにBLMのことを考えたり調べたりする人が増えたことはとても嬉しかったです。

しかし、SNSで共有されている動画や写真は全てを映し出すことはできないし、私は当事者でもない。アメリカに住んでいる訳でもないから、分からないことや見えないことがたくさんあります。そんな私の視点でこの問題について考えるにはどこか限界があるように感じるようになりました。

 

そこで、ずっと読んでみたかった本、

”The Hate U Give (https://www.amazon.co.jp/Hate-U-Give-Angie-Thomas/dp/1406387932)”

を夏休みの課題の一環として読むことにしました。

 

簡単なあらすじはこんな感じ:

主人公のStarrは黒人の女子高生で、住んでいる黒人のコミュニティーと生徒のほとんどが白人の高校との間でキャラクターを使い分ける生活をしていて、自分の二面性に苦しむ日々を送っている。ある夜、パーティーで幼馴染のKhalilと数年ぶりに再会するが、二人で車で帰宅している際に白人の警察官に職務質問をされ、KhalilはStarrの目の前で射殺されてしまう。

Khalilの死を受け、あらゆる場面で声をあげはじめたStarr。しかしKhalilに、そしてBlack Communityに正義がもたらされることはなかった。差別も不条理も何も変わらない社会に対して暴動が起こり、Starrも諦めそうになるが、声を上げることをやめてはいけないと、周りの人たちを巻き込んで人種差別に立ち向かうー  

 

 

この本は実際のBLMから着想を得ているので、アメリカでの黒人に対する差別や、SNSやニュースで見るような暴動・BLMの全容を紹介しています。根強く残ってしまっている差別的な社会や無意識に持ってしまっている偏見や差別的な価値観にも気づくことができます。

私がこの本から学んだことは、問題の表面的な部分だけでなく、当事者の視点に立って問題を見つめ、学ぶ必要があるということです。自分のこととして物事を捉えようとする姿勢はとても大切で、本を読んだり映画を観たりすることは、自分の視点を他者目線に転換する時にとても役に立つでしょう。

人種差別やBLMなどについて学ぶのにとても良い本なので、ぜひあなたもチェックしてみては?

Ayana Takahara

ICU (Japan) '24

Hi, I'm Ayana Takahara. I enjoy writing, eating, cycling, and singing!
Articles anonymously written by HCICU Contributors.