昼食を買いに裏原宿を歩いていたとき、ふと大きな建物が目に入った。その建物の入口には「Coachtopia」と書かれており、最初に思ったことは「COACHと何か関係あるのかな？」という疑問だった。「COACHTOPIA」は今年の4月20日に発表されたばかりの新しいサブブランドで、サーキュラークラフト（循環型製作プロセス）と協力的なクリエイティビティに焦点を当てている。現在、「Coachtopia」は日本に6つの実店舗を展開し、私が訪れたのはこれらの店舗がオープンする前に行われた期間限定のポップアップストアだった（※ポップアップストアはすでに終了しています）。
COACHTOPIAの特徴って？
ポップアップの詳細に入る前に、Coachtopiaの重要性を「循環型ものづくり」というキーワードを中心に掘り下げていく。Head of CoachtopiaのJoon Silversteinさんによると：
“Circularity is about reimagining not just the product lifecycle, but the relationship between brand, planet and consumer. That’s why we’ve created Coachtopia as both a discovery lab to pioneer circularity in fashion and a collaborative platform for change”
訳：循環性（Circularity）は、製品ライフサイクルだけでなく、ブランド・地球・消費者との関係を再構築することについてのことです。ファッションにおける循環性への探求を先駆けるための実験室と変革のための協力プラットフォームとしてコーチトピアを作りました。
「製品ライフサイクルの循環性」は理解しやすい。たとえば、「Coachtopia」はリサイクル素材からバッグを製作し、これらのバッグを簡単に分解して再度リサイクルすることが可能だ。しかし、「ブランド、地球、消費者との関係におけるサーキュラリティ」とは何だろう？ 現在の取り組みとしては、「コーチトピアベータコミュニティ」と呼ばれるネットワークが存在し、これは異なるバックグラウンドを持つ若者（Z世代）や専門家、アクティビストから成るコミュニティである。彼らは製品開発のあらゆる段階でのアイデア出しを担っており、従来の高級ブランドイメージに組み込まれている排他性を壊す役割がある。
洗練されたアート空間 Coachtopia Popup Store
表参道から一本入ったところにあるのはCoachtopiaの2階建てポップアップストアは、広い空間に色とりどりのアートや商品が飾られていて、思わず明るい気分になるような雰囲気。入りやすい色彩の店舗ではあったものの、やはりCOACHとしての高級感を出すためか店内の随所に顧客をサポートするための店員が配置されていた。入る時は全方向から見られている感じで少し緊張した。私が店舗を訪れた際、11月に発売予定の製品が先行販売されており、秋のダークカラーの商品が多数展示されていた。確かに秋色が多かった。後でウェブサイトをチェックしたところ、私好みのファンシーなバッグもあったが、販売しておらず購入
結論、このポップアップストアは視覚的な魅力が多くあり、商品を購入しなかったとしても楽しむことができるものだった。商品と共に現代アートが店内に展示されており、「エデュケーションウォール」という、Coachtopiaについて学ぶ機会も提供されていた。また、土日にはCoach不要なレザーを使用したワークショップが開催されており、私は参加できなかったものの、次回があればぜひ参加してみたいと思った。
ファッション産業は地球への負荷が大きい産業の一つであり、最近多くのファッションブランドが持続可能性を重視するアプローチにシフトしているのは（たとえそれが社会のトレンドに追随するだけの意図であったとしても）非常に良い兆候だ。ただし、持続可能な商品の開発の多くは高級ブランドに限られており、多くの人にとって手の届かない選択肢となっていることも事実である。将来的に、持続可能な商品が安価となり、誰もが受け入れられる日が来るだろうか。