Her Campus Logo Her Campus Logo
ICU (Japan) | Life

被爆体験者の伝承について:次世代へつなぐ責任

Rina Muguruma Student Contributor, International Christian University
This article is written by a student writer from the Her Campus at ICU (Japan) chapter and does not reflect the views of Her Campus.

日本の社会は高齢化が続く中、被爆体験者にも同様のことが起こっています。彼らが語る原爆の恐怖やその後の過酷な現実は私たちの想像をはるかに超えるものです。しかし、時が経つにつれ、こうした被爆者の声を直接聞ける機会はますます少なくなっています。このような現実を前に、私たちは彼らの記憶を次世代に伝える責任があると感じます。

私が14歳のとき、修学旅行で広島を訪れ、原爆ドームを見学すると共に、ある被爆者の話を伺う機会がありました。話してくださったのは一人の80代の女性でした。私は、彼女の壮絶な原爆経験の話に衝撃を受けた一方で、彼女はその時淡々と話していたように感じました。今思い返してみると、それは原爆が彼女の身体だけでなく、長年にわたり心理的にも大きな影響を与えてきたからではないかと思います。原爆はすべてを飲み込み、彼女の人生に重くのしかかっているようでした。

最近、私は廣中正樹さんの記事「“ぼくにはとれんよ。とうちゃん” 父に刺さった無数のガラス」という記事を読みました。彼は、わずか5歳のときに広島で原爆に遭遇しました。その経験は、幼い心に計り知れない傷を残しました。

またこの記事は2012年から始まった「被爆伝承者の研修」にも触れていました。この事業は、被爆者の体験を次世代に語り継ぐために、広島市と国立広島原爆死没者追悼平和祈念館が中心となって行っているものです。具体的には、「被爆体験証言者(被爆者ご本人)」、「被爆体験伝承者(広島市が養成)」、「家族伝承者(広島市が養成)」、「被爆体験記朗読ボランティア」、「原爆体験伝承者(東京都国立市が養成)」を全国に無料で派遣され、被爆者の経験を伝える活動が行われています。こうした取り組みは、被爆体験を後世に伝えるための重要な手段であり、私たち一人ひとりがその責任を果たす一助となるものと考えます。

私たちが被爆体験者の話を直接聞く機会が減少している今こそ、こうした伝承活動に目を向けるべきだと思います。そして、私たち自身もその責任を自覚し、次の世代に伝え続けるためにできることを考え、行動していく必要があると感じます。被爆者の声を絶やさないために、彼らの経験をしっかりと受け継ぎ、未来へとつないでいくことが、私たちの使命だと強く思います。

Rina Muguruma

ICU (Japan) '26

Hi I'm Rina, I live with 3 cats and I love to read and write.