英語学習を始めて、約7年が経過した。ICUという国際色あふれるキャンパスの中で、英語でのアカデミックな勉強や他教科を学ぶこと、そして何より英語で会話をする楽しさを実感できるようになってきた。だが、やはり、スピーキング力に自信を持つことは簡単なことではなかった。そんな時、出会った一本のTED talkが私の背中を押してくれた。
TEDxPenangRoadでMarianna Pascaがスピーカーを務めた、「Speak it like you’re playing a video game（ゲームをプレイするように英語を話しなさい）」というスピーチである。
このスピーチの中でMariannaは、学習言語でのコミュニケーション時には「会話の相手に集中し、伝えようとする気持ちが一番大切だ」と説いている。これだけ聞くと、彼女のアドバイスはコミュニケーションにおいては基本中の基本で、誰もが意識していることのように思える。確かに、母語でのコミュニケーションならば、意識しなくても日ごろから行えているかもしれない。では、学習言語だとどうだろうか。間違いを恐れ、なかなか想いを声に出せない、という経験をしたことがある人は多くいるのではないだろうか。
Mariannaはスピーチの中で、英語のレベルは低いにも関わらず、コミュニケーションの上手な少年について言及している。その少年は、相手の話に格段に耳を傾け、懸命に自分の意思を伝えようとしているのだ。そのため相手も彼とのコミュニケーションを気持ちよく感じられるのである。ここで改めて私は、コミュニケーションにおいてこの少年のような態度が大事であることを実感した。私たちが普段相手にする人たちは、審査員でもなんでもない話し相手なのである。 ほとんどの人は、間違いを指摘して冷やかすなんてことはしない。もしそんな人がいれば、性格的に問題があるので、距離を置いたほうがいい。 学習言語で、スピーキング能力に自信がなくとも相手の話に集中し、コミュニケーションを楽しもうとすることが、双方にとって気持ちよく会話をする為に最も重要なことではないだろうか。
このスピーチを聞いて私は、英語でのコミュニケーションに更に前向きな姿勢を持つことができた。これからは、コミュニケーション時はとにかく会話を楽しみ、相手に伝える姿勢を最優先に持とうと思う。そこで言葉が出てこなくて悔しい思いをしたなら、その後自分で学習し語彙を増やしていくことで、英語を楽しみながらスキルアップしていきたいと強く感じた。
この記事が、私のように英語のスピーキングに苦手意識を持つ人の助けになれば嬉しい。