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TEDxICU Murata
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Life

TEDxICU 村田慎二郎

This article is written by a student writer from the Her Campus at ICU (Japan) chapter.

TEDxICUはICU生によって構成された、「TEDに似た体験」を提供する非営利団体です。私たちは、それぞれが自分を自由に表現し、他人からも影響を受けながら成長したいと思える場を目指して活動しています。このたび開催される1月30日(日)午後1:00-5:00のTEDxICUのイベントでは、村田慎二郎さんが登壇します。今回はYouTubeプレミア配信とZoomにてオンライン配信となります。詳しい情報はTEDxICUの公式ウェブサイトとインスタグラムをご覧ください!

「無力感を感じることもあるが、自分たちは「医療を提供している」だけではない。絶望の淵にたつ人たちにとって私たちは希望をも届ける存在であることを知りました。もう、ずっとやっていこうと思いました。」

そうおっしゃるのは、国境なき医師団日本の日本人初事務局長、村田慎二郎さんです。

村田さんは 1月30日(日)のTEDxICUで人道援助の現場でのお話や、村田さんの過去、現在、未来について、お話しされます。

「国境なき医師団(Médecins Sans Frontières; MSF)は、独立・中立・公平な立場で医療・人道援助活動を行う民間・非営利の国際団体です。1971年に設立し、1992年には日本事務局が発足しました。」 

「MSFの活動は、緊急性の高い医療ニーズに応えることを目的としています。紛争や自然災害の被害者や、貧困などさまざまな理由で保健医療サービスを受けられない人びとなど、その対象は多岐にわたります。」
(国境なき医師団webサイト https://www.msf.or.jp/about/ より抜粋)

ーー今は国境なき医師団日本の事務局長となった村田さんですが、大学ではどのような勉強をしたいと考えていましたか?

村田:(頭を抱え)うーん…。覚えてないなぁ…。

ーーそれでは、村田さんはどのような学生でしたか?

村田:村田:全然誇れるような学生ではありませんでしたね(笑)
浪人をして静岡大学に入学しましたが、受験勉強から解放された喜びが強くて、大学生活は楽しんでやろう!と思っていました。
サークル活動は一生懸命やっていましたけど、将来の目標とか、何かになりたい!という思いは一切ありませんでしたね。

そんな村田さんは、外資系IT企業での営業職を経て、「世界で最も弱い立場に置かれている人たちに、仕事を通じて貢献したい」という大きな夢を持つようになりました。

ーーどのようにして「夢」をもつようになったのですか?

村田:大学時代特に勉強もせず過ごしたので、就職氷河期だった当時の僕は一回目の就職活動で全滅しました。面接にも呼ばれませんでした。
最終的には就職留年を選択し、その期間どういう人生を過ごしたいのかじっくり考えました。
大学を卒業して、外資のIT企業に入ったのですが、数年後「このままでいいのかな…?」という思いに駆られました。
そのしばらくあと、僕は国境なき医師団に入団し、スーダンのダルフールにいきました。

村田さんがどうして国境なき医師団に入ろうと思ったのか、どのような困難があったのかは、スピーチでお話しされますので、ぜひお楽しみに!

ーー今のお仕事の最も楽しくて好きな部分を教えてください。

村田:まず、やっていることのインパクトが目に見えてわかる点です。私たちの仕事がどれだけ必要とされているのかが、一目瞭然です。
次に、同僚に誇りが持てる点です。
本当に優秀な人がたくさんですよ。
自国で大人しく仕事していればずっといい生活ができるのに、自分たちの人生とは全く関係ないひとたちの苦しみを少しでも和らげるために辛い環境のもとで一生懸命働いているのです。

そして、生まれ育った環境も肌の色も髪の色も違う皆が、英語という共通言語を使って世界の最も弱い立場にいる人達のためにがむしゃらに働く、この仕事をずっとやっていこう、と強く思わされます。

ーー逆に難しい部分は?

村田:「これができたら本望」という僕の最大の目標は、紛争地における医療のアクセスを増やすことです。

しかし、それを実現するまでにいくつもの大きな壁があります。

まずは、日本社会における人道援助の認知と支持が必要です。
そのためにはこの事務局をもっとよくしなければなりません。

僕のように果てしなく大きな目標を達成するためには、まずは目の前にあるものから取り組んでいかなければならないと考えています。

ーー国境なき医師団日本の事務局は具体的に何をされているのですか?

村田:日本社会に向けての「証言活動」と、現地に送る人材(医療者・非医療者含む)のリクリーティング活動。あとは国境なき医師団の活動資金は9割が民間から来るものですので、寄付活動も行っております。

証言活動とは、現場でみたものを伝え、その状況を変えたいという思いから現地の苦しみや悲しみを「伝える」活動です。

ーー新型コロナウイルスは国境なき医師団の活動にどういう影響がありましたか?

村田:去年は本当に大変でした。

各国がそれぞれ国を閉じ、飛行機も飛んでいなかったので、物資・人員提供が滞りました。

コロナの流行当初、現場で働いていた同僚はコロナを知らなかったので、何もわからないまま患者がどんどん入ってくるのに対応していました。

日本の病院では当たり前に備えている酸素ボンベやマスクなど、患者に必要なものも元から数が限られており、コロナ禍では患者に届いてませんでした。

また、難民キャンプなどは密集した空間に大人数が暮らしていますので、感染対策も取れません。

日本でも「医療崩壊」がありましたが、紛争地ではコロナ前からすでに追い詰められていた医療機関がさらに追い詰められてしまいました。

村田慎二郎さんは、ごく普通の学生から国境なき医師団日本事務局長になり、紛争地における医療へのアクセスを増やすべくさまざまな形で活躍されてきました。TEDxICUは、村田さんのお話を聞く2度とない機会となります。

ぜひご参加ください!


Utako Kawakami

ICU (Japan) '24

Hi, I'm Utako and I am a sophomore at International Christian University!